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1.23.2016

詩の書き方

あるべきものをあるべき所に
あるべきものをあるべき場所に

追いかけていただけ
追いつけなかっただけ

あるべきものをあるべき所に
あるべきものをあるべき場所に

探していただけ
探し続けているだけ

あるべきものをあるべき所に
あるべきものをあるべき場所に

見えていたのにな 見えなくなったな
見えていたのにな もう誰も見えないのな







(僕が詩を書くとき)

5.02.2015

抜け出す





変わろうと思った
月の綺麗な夜
「悪いことも決していけないことではないの」
君が言うものだから
この夜の間に街を出ようと決めた



日々も生活もすぐに日常になっていくというのに



君の腕を掴んで高架下をくぐる
赤いキリンがゆっくりと傾いた
路上の吸い殻
夜の吐息
空気を汚して



なんでもないことで壊れてしまう
「普通」に耐えられない人もいるの



わからないかな
わかってよ
わからないかもな
わかってほしいよ



暑過ぎる空調
エンジンが酷くうるさい
手を繋いでも君は遠くを見てる



変わったの
月の綺麗な夜
嘘を吐くのも平気になった



わからないかな
わかってよ
わからないかもな
わかってほしいよ



手を離しても消えないで



日々が過ぎる
生活を送る
忘れがち
すぐに日常になって
道を探した
突き抜けた青空
溜め息
空気を温めた



わからないかな
わからないかもな


9.17.2014

なんでもない日、おめでとう




もしも明日、すべてが消えてしまったら
なんて、そんなこと、思ったりする
一生語り継ぐ出来事も、一瞬
なんでもない日に
おめでとう
って言ってしまう不自然さで
夏休みなんて嫌いさ


「や。」
と君は片手を挙げて笑う
全然変わらないように笑う
僕は自分が変わったのを感じて悲しくなる
夏の終わり


不安と焦りと心細さと
ひとりで抱えて
独りきりで抱えて
明日すべてが消えてしまったら何も残らない


あなたはもう
戻りたくないと言う
早く帰りたいと言う
遠く遠く遠い場所へ
早く帰りたいと言う
もう戻りたくないと言う


僕達は何も言わずに手を繋いだ
理由ないままに
寄り添っていたかったのだと思う


今じゃないしか夢見れないのは面倒くさいな


嘘吐きめ
嗚呼、はね返った言葉が痛いな


不満ばかり抱えて
なんでもない日
過ごしている内に忘れてしまう
明日すべてが消えてしまって
幸せだったんだ
って気付く不自然さで
なんでもない日、おめでとう

5.19.2014

ギターからたくさんの音が出せる人は魔法使いだと思う





終電を見送ったのは
乗れなかったからじゃない
まだ先に進みたくなかっただけ
列車に揺られて夢を見た



















泣いて良いよ
って言われたらきっとすぐにでも泣いてしまう
こんなに泣いてるのに
って貴方は叫んだから
泣いたら駄目だよ
って言ったあの人にはもう会わない



















昔
夜を歩いていた気がします
その頃はまだ
すべてを知っていた気がします



















今日は隠し事をしに来ました
内緒の話をしに来ました
誰と?
内緒。




















線路の中でぼやけた私
本当は全部知ってるんでしょ





















どこかに行きたい訳じゃなくて
お酒は飲めなくて
でもどこまでか歩いていたくて
目に映るすべてを記録したい




















ギターからたくさんの音が出せる人は
魔法使いだと思う
昨日、深夜の高架下、
ギターを弾いてた人も魔法使い



















逆さの月がぽっかりと
燃えるゴミと燃えないゴミ
抱えるキモチと捨てるキモチ
きっちり分類できたなら



















そんな気もち
ゆっくり抱きしめておいで
そうすればきっと良くなるから
ほら



















忘れた
本当に
忘れたよ

どうしたって切なくって苦しくって
こんな夜は
ねえ
もう何も考えずに寝てしまおうか

私の泣き顔
今日も汚い





















口を開いたところで言葉は音にならないし
貴方の親指は何を紡ぐの
君と君と君と君と
選んだ星を買い物カゴに入れて
夜の線路沿いは今日も平和だ




















閉じたままの遮断機
壊れたままの信号
口を開いたところで音は言葉にならないし
夜の線路は地図の上を切り裂いて



















ごめんね
私は私を愛せなかった
ちっとも自分の望んだようには生きられなくて
後悔ばかりの人生だ
それでも

ごめんね
私は貴方を愛せなかった
そもそも望んだような生き方って
好きなようにしか歩いてないのに
今以外に後悔してる
だから

ごめんね
やっぱり貴方は愛せそうにない
そんなだから見捨てることも出来ないけど
歪なままの姿




















終電まで話させて
その後深く眠らせて
まだ自分が優秀だって信じてるんだ
夢見たって良いだろう?



















忘れた
本当に
忘れたよ



















泣いたら駄目だよ
って言ったあの人にはもう会わない

























「ここではない」へ行きたかった
けれど
どこかへ連れて行って欲しかった訳じゃない
終わらない旅に出たかった訳じゃない


きっと本当に楽しかったんだろうな
って話聞いてて思った
それだけで泣きそうだった

魔法使い
私に魔法をかけて





3.31.2014

青い夜




君の名前も忘れてしまいそうな夜を歩いて青い月を探した

目覚めた瞬間空に落ちたから
もう君の傍にはいれないな

本当に大切なことは伝える言葉をもたないから
僕はまだ僕でいられる

そんな夢を見ていました

歩いた数だけ夜を踏みしめて僕は青い月を探した

青い月を探したから夜を歩いて君の名前が思い出せない

本当に大切な言葉は伝えることができないから
僕はまだ君の傍にいたいんだな

青い夜の中で探した
月の光が美し過ぎて宙に浮いた

探した記憶
伝えられない言葉は
夜の中を歩いた
思い出せないのは君の名前
歩いた夜の中
青い月を探した

目覚めた瞬間、落っこちた

1.03.2014

ホワイトアウト



携帯のバッテリーの残量が電池の形ではなく%で表されるようになったのはいつからだろう
ガラケーなのに
ふっと命尽きることは無くなったけれど
真綿で首を絞められるように秒読みの未来を生きてる

正論を振りかざしてばかりだった、僕ら
誰かに嫌われることに怯えてばかりだった、僕ら

いつかは世界中平和になる
とか絶対に信じてない
一生懸命やってればいつかは皆報われる
とかそういうこと
有り得ないってことの方信じてる

考えることを悩むと読んで僕はずっと考えてる

「お好きな席へどうぞ」と言われる度
中点を取るように等間隔に並ぶ
鴨川の岸辺のようにいつの間にか埋まって行く
誰かに隣り合っていたい

もしもこの命が明日尽きてしまうなら
なんてそんなこと考えたりするんだ
自分の命は自分の意識
劇的な瞬間の度
塗り替えられていく世界

この感覚、前にもあった
って思うのはそれだけ齢を取ったってことで
そんな感覚、前にもあったよ
じわじわと首を絞められるように
扉を閉ざされるのに怯えている

ここへは降りたら戻れないの?
白い羽が零れていく
あそこへはもう戻れないの?

道を示すことに一生懸命だった、僕ら
間違えないことに精一杯だった、僕ら
選択肢をひとつずつ握り潰して
最後に残ったのが君だったら
朝の電車で出会えたら素敵
青空と白い雲
霧を喰っても生きていけないから
じわじわと締め付けられるように殺されていく

空が眩しい


10.10.2013

君の街についての考察を教えて欲しい



君の街についての考察を教えて欲しい


僕は湖に浮かぶ月になりたい
いつまでもそれを眺めていたい
誰かが掬っても通り抜けていたい
誰かに救い上げられるぬいぐるみでありたい
あなたに食べられるホットケーキでありたい
それは拙い妄想かもしれないけれど
君の街についての考察を教えて欲しい


叫びたかった何が何だか分からないまま
君の街についての考察を教えて欲しい


街はまだ晴れていた
街はまだ晴れていると言っても良かった
台風の前 渦巻く雲 飛び立った同僚
街はまだ晴れていた
君の街についての考察を教えて欲しい


人は歩いていた
街は流れていた
掃ったパン屑は鳥の餌
君の街についての考察を教えて欲しい


街はまだ動いていた
ビル向こうの電車もバイパスも
高層ビルの間の風切音も
中庭の葉擦れの音も
上空のヘリも
金属製のベンチに映る人の影も全部
混ざって街はまだ動いていた


君の街についての考察を教えて欲しい
どうしてこんな所にいるのか分からなくなるのだけれど
どこか行きたい場所がある訳でなく
どこか行ける場所がある訳でなく
(僕は自分の望む所まで来てしまった)
どこにいるかではなく誰といるかの方が重要なんだって気付いてた
人は変わっていくけど
場所も変わっていくけど
君の街についての考察を教えて欲しい


君の街についての考察を教えて欲しい
吹き抜ける風
赤くなったサルビア
街はまだ動いていた
僕という存在を呑込んで
君の街についての考察を教えて欲しい


9.14.2013

すてきだった、夏のこと

君の愛した僕の生活 全部全部君にあげる
朝御飯に刻む葱の音
コトコト煮える小鍋の匂い
破くために書いた約束
はくためについた嘘


去ってしまう夏を君はおはじきのように転がして
ビー玉のようにぶつけた
青い玉はサイダーの味
赤い玉はさよならの匂い


あなたにはずっとやさしい嘘を吐いていて欲しかった
死ぬまで消えない嘘は本当になるはずだった
君にはずっと君であって欲しかった
いつまでも褪めない夢であって欲しかった
本当なんて要らない
現も実話も要らないんだよ


君の愛した僕の生活 全部全部君にあげる
夕暮れに想う帰り道
踏んで歩く影法師
口遊めないメロディー
忘れてしまった あの夏の素敵だったこと

6.30.2013

祈り

夕暮れから来た鬼 何処へ行く
コードが巻き付いてコードに縛られて黒鍵を跳び越せない
この閉塞感をどうしよう
この抜け道の無さをどうしよう


格好良いあの人は答えを知っているらしいよ
行く道を
僕は
この閉塞感をどうしよう
どうしてくれようか


夢も希望も明るいけれど輝いちゃいない
戦う敵は見えない
戦わなきゃ見えない光なら要らない
幸せな日々にこんにちは
それはぬるま湯さ


ハロー


好きな人好きな人お気に入りの人
つなぎの服と赤いギター メッシュ地の上着に長い髪
好きな声好きな声心地良い会話
ここから動かなければ此処が全て
目の前に一生懸命でもくたびれて死んでいけるさ


ハロー


一人の意識で変わってしまうような世界は認めない


変われるのは自分だけ?
笑わせんじゃない

変わる/変わらないに関わらず流れていく
変われる/変われないままに流れていく


そっと揺らしたのはコード
震えたヘッドホン
震え伝わる心まで
伝われよ


6月に流されていく五線譜 さようなら
台所の憂鬱 さようなら
じめじめとしめっぽい
バラード鳴らすレコードの針


赤青黄色で全てを変えて 塗り変えて
気を逸らさなければ見えない真実なんて信じない
ハロー 水底の世界
ギターが笑う

4.21.2013

夜明け前まで


星空と山の出会う辺りに海を見に行こう
大気圏水色空色なんだか全部、涙の色なんだ


ブリリアントな魔法をずっと待っていた気がする、僕ら
僕らがじゃれあうようによりそった意義がわからない
まだわからないままでいる


日常に思い出が溢れて困る

君は赤い水を飲んでいた
それは泡立っていたかもしれない
センチメンタルなカントリー調の音楽を聴きながら
血になりきれないものが飲み込まれていく
僕はこんなだから、いつかの誰かの同じ名前の夜を消費している
僕らこんなだから、いつまでも手を繋いだまま向き合うことはない
いつかの誰かの夜がメランコリーを帯びて息を吹き返す
僕ら嘘吐きだから
僕はこんなだからさ

「君のことが好きだよ」
それはきっと全部、小さな爆発
目があったのはきっと気のせい
どこまでも優しい消え入りそうなドラムが夜を刻んでいる


色んなものを忘れたいと思ってる
誰かといる時の温かさとか優しさとか幸せとか
それらがみんななくなったときの切なさとか


静かな終わりを
綺麗な思い出を
それだけを望む訳でもないけれど
写真の中で僕らいつまでも笑っているので

コール アンド レスポンス

僕が好きな誰かも
君が好きな誰かも
素敵な日記を書いて最大多数の一部になった
僕ら夜に紛れる星になって街を行く


越えられる夜ならば越えて行こう
越えられなくなったら、そこでお仕舞い

平凡な叶うことのない夢を見てる
でも夢でも夢じゃなくても
僕は途方に暮れたまま佇んでいる


どこまでもどこまでも行ってしまいたいって思う朝
寝ぼけ眼で研ぎ澄まされた感覚
醜いものはもう見えない

東京の駅で出発を待っている
ブーゲンビリア
プルメリア
憧れは南の島 花の中

3.25.2013

D M

(ディー メジャー)





好きという気もちひとつ、飲み込んで
君の手を握る
ねぇ、寒いね

会いたい会いたい会いたい
と思っている
だけ
で伝わらない想い
それでも

君にあげるはずだった未来一つ探しています

いま
言葉を忘れ続けて
君と話したい
すごく

相変わらずマイペースだったあの子
を愛しいと思う
想いを
なぞる
よな

雪の降りそうな朝だった

冷え切って
それでも握り返してくる君の手が嬉しい
眠り込んでしまった僕を見守る君の眼が優しい

ねえ僕ら離れ離れになってしまうけど
どこへも行けず何も生み出さないのだとしても
今宵
君を夢見るくらいは許して欲しい

君の光を消さないようにそっと息をしている
昨日がそこで佇んだまま
眠り込んでいる明日を揺り起こしていいものか戸惑っている
もう少し眠らせておあげよ
きっと疲れているのさ
僕も君も

あの子に会いたいな すごく
あの子に会いたい気分だ
明日が起きれば会えるかな
珈琲を入れている間に朝日が上って
トースト焼いてる間に君に会いたい
昨日が額縁の中で色褪せていた
明日はすやすやと眠りこんだまま
今日がぼろぼろの指先を握りしめる
君に会いたいな
僕がもらう筈だった未来はどこで落としてしまったのでしょう

今朝見たのは君の夢
そっと掌を包み込むような
うんと素敵になって君を驚かせたい
君がずっと追い駆け続けるような
そんな人になるために僕はさ
ねえ

君の悲しむことなんてしたくないのに
君の負担になんてなりたくないのにな
水の匂いがする 水道水の臭いだ
雨の にほいだ
これが春を連れて来た

雨が降り出しそうな今日は朝からどんどん暗くなって
昨日よりも随分と暖かかった
「南からの湿った風が吹き込み、西から天気は崩れていくでしょう」
だ、そうだ
これだけ暖かかったら、もう君と手を繋ぐ必要も無い
僕は
それだけが悲しい

「目に見える程度の苦しみと
目に見えない程度の悲しみ」
いつ、誰が書いたのかも分からない日記が発見された

今日が限りなく続く昨日の続きでしかないことに絶望しただけさ
この1年で僕は随分変わったけれど、君のことは分からない
ましてや、そのきっかけなんて
つまりはそういうことなんだ
僕と君は交わることのない他人のままだった
もしかしたら
2人別々のことをしながら別々のことを考えながら
同じ気もちでいるのが一番幸せなのかもしれない
なんて思ったりもするんだ

綺麗な字を書ける人が羨ましかった
上手に絵を描ける人が羨ましかった
君の手を握れる人になりたかった
君の隣で笑っていたかった
「君」ばかりだ、考えてるの

「春。」
と書いた時のマルのような
誰もいないのに擦り減った靴のような
君が好き、と言える程度の気もちなんて
きっと僕の愛は傾いているんだ
現実よりも30cm上空の夢を
浮遊する現実を
それよりも
君の手を握りたいのに

ずっと誰かの隣にいたかった
ずっと誰かの待っている家に帰りたかった
ずっと待っている「誰か」が欲しかった
ずっとずっと待っていた誰かを追い掛けて追い駆けて追い越した
そうしてまた手に入らなかったんだ

好きという気もちひとつ、飲み込んで
君にあげるはずの未来を探している、いま
君にあげるはずの未来を探しています




(choriさんの「未来」「ダンサー イン ザ アフターダーク」、
みかとやすさんの「惑星とスープ」に影響を受けています)

2.07.2013

ここのつきピース

朝、出掛けようとしたら靴紐が絡まって嫌になったんだ。駅に着いたら目の前で扉が閉まったんだ。並んでいたのに割り込まれたんだ。最後の席が埋まって、折角用意した傘を電車に忘れて、改札から出たら本降りになったんだ。コンビニでは小銭が1円足りなくて、買った豚まんはぬるくて、口笛吹きながら歩いてきたおじさんの煙草でマフラーに穴が開いて、蛍光灯が切れかかっていて、お気に入りのマグカップにはひびが入ってて、コーヒーが書類を駄目にしたんだ。嫌になった。嫌だった。こんな日嫌いだった。嫌いになった。こんな世界。こんな中にも、そこから外れたどこかに幸せのある世界が嫌だった。不幸に浸らせてくれないこの世界が嫌いだった。嫌いだった。嫌い。嫌い。嫌い。なのに、

レジを打って巻いたぜんまいの音が、
風が吹き抜けた銀杏通りが、
排気ガスに顔を顰めた猫が、

過ぎ行く街が9月になる
過ぎ往く人が9月になる
大好きだった夏が掻き消されて流されて9月になる
9月になる
9月になる
9月になる世界が僕を蹴っ飛ばしたんだ
(ピース)
全ての死んで往った偉人達にピースを
全ての名も無きミュージシャンたちにピースを
全ての日常を回している人たちにピースを
全ての非日常に翻弄されている人たちにピースを
全ての不幸に為り切れない幸福な人たちにピースを

ピースを!ピースを!!ピースを!!!

1.15.2013

夜の魚

色々なことを忘れたくて夜の街に泳ぎ出す

酒飲みは自分が酒飲みであることを忘れたくて酒を飲むのだと

言ったのは誰だっけ

忘れられなかった色々なこと

悲しい思い

泣き出したい気持ち

思い出

感情

だけは消えずに

いまも

リバーブする

解法を望んではいない/いけなかった

置いてきた色々なこと

明日が来なければ良い

忘れられなかった色々なこと

悲しみ

がリバーブする

夜の街を泳いでいる

何処へも行けなくって嬉しい

訳がない

何処へでも行けるのに

行く場所が無くって悲しい

淋しさ

がカウンターに置いてきぼりにされていて

悲しい

気持ちだけ

が

リバーブする

いま

忘れられなかった色々なこと

だけ

が

悲しい

リバーブする

夜の街に泳ぎ出す

いま

誰からも傷をつけられなくって悲しい

訳ない

感情

だけが

淋しい

夜景がきらきらと

夜の星

の涙

が

魚眼レンズの向こう

予定が外れて

カウンターに置いてきぼりになってる

いま

が

淋しさとダンスする

夜の街

誰からも忘れ去られなくて悲しい

悲しい

が

言えなくて

淋しさ

が

リバーブする

置いてきぼりになった

カウンターに

色々な忘れられなかったこと

リバーブする

リバーブする

リバーブする

感情

だけ

が

夜の街に泳ぎ出した

11.11.2012

誕生日の奇跡

好きだ好きだ好きだと言い続けた人が齢を取って
嫌い嫌い嫌いと呟いていた自分もいつの間にか齢を取った
何度も何度も何度も会いに行った人が知らない内に齢を取って
自分で言っていたからハッピーバースデーを歌ってやった
そうやって回っていく
地球
は年を齢っていくの?

齢を取るってなんだっけ


昨日までの僕
と
今日からの僕

の間に違いなんてないぜ


誕生日に感動的な出来事がある訳じゃない
世紀末の愛の告白も
宇宙人の到来も
神からの啓示も
ミスドの100円均一さえ

誕生日ってのはきっと怠惰な僕らが毎日「生まれて来てくれてありがとう」を言わなくて良いように1年に1回おめでとうを言う日なんだ

人為的な日に奇跡は起こらない
だから自分たちでパーティーを開くんだ
あなたの近くにいられなくてごめん
何事もなく過ぎていく日だった

11.10.2012

複数人へ

久し振りに

きもちよく飲んで
きもちよく酔っぱらって
きもちよく吐いた

早くおうちに帰りたくて仕方なくなって拾ったタクシーの運ちゃんはご機嫌で深夜料金は割り引いてもらった

介抱してくれる人がいないからあの人の手を思い出して
「あの人」は年を追うごとに増えていく
それが
良いことなのか悪いことなのかはさておいて

あなた、きっとまだ生きているでしょう
僕の知らない街で知らない人と泣いたり笑ったり愚痴を言ったり呑んだり吐いたりしながら
まだ生きてくれているでしょう
分からなければ何の助けにもならないことだけれど
知ったところでどうにかなるものでもないけれど
昔話では顔くらい覗かせてやっても良い
あなた「何様だ」って顔をしかめますか
それとも「そうだな」って微笑みますか
それもきっとあなたによって変わる
事実

僕は、僕が、僕の、
僕の、話を聞いて

そう言い続けて何年にもなるけど
あなたまだ生きているでしょう

脱ぎっぱなしの服からは 鞄からも
昨日のアロマと煙草のにおい
そうやって
煙草のにおいが嫌じゃなくなってから
も
しばらく経ちました

11.08.2012

夜明け前(未完)

今日の空は何色でしたか
僕は誰よりも早く空の綺麗さに気付ける人でありたいのです


毎日毎日
朝と追いかけっこしてた
いつだって追い越すのは僕
このままいったら朝の何倍も早く年を取っちゃう

夜明け前の空が好き
半分夜を残したまままどろみを写して混ざっていくあをが好き
夜明け前の空気が好き
昨日の嫌なことは全部清算して今日の責任はまだ受けない
気まぐれで何考えてるか分かんない君が好き

ねえ僕は
君がくれるのが言葉でなくてもぬくもりでなくても良かったよ

近頃は日が暮れるのが早くなった
朝の逃げ足も随分と早くなった

大量に束ねた紙が一枚一枚と舞っていって
地図 みたいだ
ねえいつだった
追い越すのは僕だよ

なんとかなりそうなことと
なんともなりそうにないことを天秤にかけて
とりあえず ぜんぶ
あとまわし

そうやって夜が明けた後はいつもいつも
一人切り
風が唸ってる
昨日の咎を昨日に流して
今日の咎を明日に流して
僕らまだ
夢の中
あなたの詩に追いつく
少しの幸せ
夜が明けたらぜんぶ現実
それまでは
全部
夢

あなたのことは忘れない
でも
今
会いたいとは思わない
よ
今日のかみさまとひとりきり

夕方になって暮れると
この街は風が出て雨が降る
夜が明けて
風が吹いて
かみさま
を連れ去った

はじまり

11.07.2012

新しい人

新しい人が来た
新しい人が来た

と思っていたけれど
もしかしたら知っている人なのかもしれない

人の顔も名前も覚えるのは苦手だ
相手が誰であったって会話はできる
子どもなら 特に

子どもの心を持った人だけが芸術の美しい部分を感じられるならば
1Kに住んでいたあの友人は子どもだったのだろうか
日常が制作に侵食されている彼女は
芸術家 には違いなかったけれど

新しい人が来た
新しい人が来た

と言っている内に季節は回って古い人になった

新しい人が来た
新しい人が来た

そう言って忘れられていった
大人 や 子ども

そう言って置いてきた
おとな や こども

は 今 どこにいますか

純粋な大人でも子供でもない
ぼくらは
新しい人 ですか
それとも
失敗した料理みたいに舌打ちひとつで捨てられる存在ですか
たしなみみっつで引き剥がされる子どもですか

前世での出会い や 約束 は
置いて来ました

11.06.2012

お月様とチーズ

チーズタルトを頬張る様にそっと
齧りたいものがある

ねえそのジャガイモちゃんと芽欠いてあるかい
ねえその食事ちゃんと毒抜いてあるかい

暴力的なスピードで新幹線は走っていく
人を跳ね飛ばすスピードで今日も特急は超満員

じっと部屋に籠っているだけじゃ僕ら何処へも行けない
それなのにじっと「位置している」だけで地球の自転が公転が太陽周期が僕等を何千kmと運んでいるらしい
人間には追い付けないスピードで地球が去っていく
嗚呼
だから時は流れていってしまうのか
決して追い付けないスピードで

夜明け前が好きな詩人がいて
「一緒に夜明けを見に行こうか」
って言ったら
「あなたとは無理よ」
と笑われた

家に籠ってても何だって手に入るぜ
食べ物も本も情報も友達も
僕等何千kmも気の遠くなるような旅をしてる
吹っ飛ぶようなスピードで同じ場所に戻って来る/戻れない

彼女の好きなフレーズを口ずさんでそれでもやっぱり「あなたとは無理よ」って言われた

貴女今頃誰とお茶してる
貴女今何考えてるの

地球の裏側の珈琲飲みながら海の向こうのお菓子食べながら考えている

お月様
お月様
ブルーチーズって馬鹿にされたんだってね

チーズタルトを頬張る様にそっと
齧りたいものがある

11.04.2012

嫌ですの美学

ガレットを焼く
そっと閉じる音がする
ガレットを焼く
そっと閉じる味がする

シャットアウト
シャットアウト
シャットアウト!!

僕は星を飼っている訳ではないのだけれどそれが流れていくものであることを知っているので特に何も言わないのです
のです
の
で済めば良かったのに
ね
ねえ
ね、絵が見たいよ
君の
君の描く空が見たい
空、が恋しい

夏以外は窓を開けると寒いから嫌いです
身に覚えのないウイルス対策ソフトが警告文を発してくるので画面を開けるのは嫌いです
知らない人から迷惑メールが届くので携帯は嫌いです
君から掛かって来ないので電話は嫌いです
嫌いです
の、美学
なんて知らないのです

「物事の良い面をより多く感じて生きていたい、とか思っております」
誰かが言ってた
「僕」の中の何処かが言ってた
言ってた
よ
「夢中になるものが欲しい」
数ヶ月前に会った時もそれ言ってたねって行きずりの人が言ってた
言ってた
のです
のですで済まないものなのです
そんなものなのです、いまってのは
まったくもって面倒くさいものなのです
のですで済まないものなのです
もう嫌なのです
いやですの美学なんて知らないけど

シャットアウト
シャットアウト
シャットアウト!!

ガレットは時計ウサギが持っていきました
行きました
のです

ささらい

こういうのを朝帰りって言うんだろうなあ多分違うけど
そんなことを思いながら
昨日居酒屋のカウンターで知り合ったばかりの人の自転車に揺られている
夜明け前
長かった一日をようやく終えて空き缶に終う
みたいな部屋から
これから始まる今日
へタイムトリップする
いま
夜明け前の肌寒い風が
昨日の酔いを昨日へと洗い流してくれれば良いのに
そんなことを考えながら
終わるはずのなかった色々なものが今へと続いていて
乗り損ねた電車を反対ホームから見送る
思いきり手を振ってやる
通勤用が起きるまでの電車を見送って地上にでれば魔法は解けて
ただただ
弱い僕がそこにいる
掴み損なった色んなものを
帰りたくなくてした大回りを
白日の下に晒して自分の眼だけ覆ってみる
君が目を合わせてくれないから君じゃない誰かを見なくて済むように
ずっと続く線路の上を走ってる
十七夜の月がにじみだしていて
終電を気にしていた昨日の人の言葉を思い出してる
「希望に満ちた朝」を暫く平行移動した後
夜明け
に背を向ける
「人生プラマイマイナスくらいがアタシには心地好いのよ」
と言っていた人の幸福な寝顔を想像してみる
AM6:05
また来る
夜
まで乾杯
乾いた脳ミソが
輝かしい昼間へと祝杯を挙げる
とスケジュール帳に書き込んでいる
できってしまったこんにゃくゼリーみたいにぶよぶよしたかじりかけの
朝
で
弛んだ体を星型に入れる
天窓から陽が差し込む家に
太陽熱給湯器がこしらえる朝食に
昼
がまどろんでいる間に
僕は君との逃避行を決行する
返信を削除した