5.31.2012

詩の世界


詩、
というと真っ先に空が浮かぶ


空色が半球状に広がっていて
建物はなく草原が広がっている
丈の長い草が風にそよいでいて
丘の上に立った背の高いひょろっとした木の下に子どもたちが駆け出して来て手を振っている


それはいつだって昼の光景なのに




僕の描く世界は何時だって、夜。




風の海の中に沈む




駆け出す若者たちの反逆




金色の月に笑いかける




ライブの後の喪失感




夢の終わりの始まりの夜の夢




優しい闇に包まれて沈んでいく






朝が来るまでは何だってやれる気がするんだ


その世界は何時だって、
夜。

5.30.2012

少年と夢


少年がいる
厚紙で作った飛行機を追い掛けた少年が
金色の叢の中に立ち尽くしている

演劇の幕を読むような描写を含めた詩を
現実と空想と回顧と虚構の入り雑じった不条理演劇のような詩を読もうと思う

前回の復習をします
演出が声を上げる
燃えた家は何度だって復元される
被害者は何度だって甦る
だってそれがお芝居だから
幕が降りたら、そこは……

野に白い花が咲いている
上手から入ってきた狩人は獲物を探して空を見上げる
少年が下手からその様子を窺っている

金色の叢の中で家が燃えている
金色と朱色の炎を上げて燃えている
火はすぐに草原に移り、少年は駆け出した

夢はいつだって良いとこどり
同じシーンの繰り返し
僕は勇者
森の獣や鳥たちを狩人から救った勇者
なのに涙が止まらないのは何故だろう

僕は勇者
みんなを魔の手から救った勇者
なのに誰もいないのは何故だろう
こんなに寂しいのは何故だろう

テレビが燃えている
ナトリウムの黄色やカルシウムの橙色が燃えている
箱の中にいるのは誰
幕に囚われたのは誰

僕は勇者
みんなを救った勇者
なのに救われなかったのは誰

5.26.2012

しをうたう

パーティーが終わった夜に
誰かが死んじまったそんな夜に
僕は君に詩を謡う

パーティーが終わった夜に
何かが死んじまったそんな夜に
僕は君のために泣いてあげるよ


詩なんてものは歌うもんじゃなくてさ
勝手に浮いて来るもんでさ
だから僕はこんなところに書き散らして
紙とペンを持たないから泡沫は流れて言って




「パーティが終わった夜に、酔っぱらってねむっちゃった夜に、」




ってさ、僕の好きな詩人は謡うんだ
始まりしか覚えてなくて終った余韻しか覚えてなくて
見返してみたら唯の真似事になっていた


パーティーが始まった夜に
誰かが壊れちまったそんな朝に

僕は君のために歌ってあげるよ



5.04.2012

花を買う日

あなたにもいつか
花を買う日が来る

自分の為に
貴方の為に
家族の為に
大勢の友人の為に
僕の為に

そんな日には
お気に入りのウサギのぬいぐるみを抱いて
呼べない名前を呼んで
独り 泣くでしょう

あなたにもいつか、花を買う日が来る