1.03.2014

ホワイトアウト



携帯のバッテリーの残量が電池の形ではなく%で表されるようになったのはいつからだろう
ガラケーなのに
ふっと命尽きることは無くなったけれど
真綿で首を絞められるように秒読みの未来を生きてる

正論を振りかざしてばかりだった、僕ら
誰かに嫌われることに怯えてばかりだった、僕ら

いつかは世界中平和になる
とか絶対に信じてない
一生懸命やってればいつかは皆報われる
とかそういうこと
有り得ないってことの方信じてる

考えることを悩むと読んで僕はずっと考えてる

「お好きな席へどうぞ」と言われる度
中点を取るように等間隔に並ぶ
鴨川の岸辺のようにいつの間にか埋まって行く
誰かに隣り合っていたい

もしもこの命が明日尽きてしまうなら
なんてそんなこと考えたりするんだ
自分の命は自分の意識
劇的な瞬間の度
塗り替えられていく世界

この感覚、前にもあった
って思うのはそれだけ齢を取ったってことで
そんな感覚、前にもあったよ
じわじわと首を絞められるように
扉を閉ざされるのに怯えている

ここへは降りたら戻れないの?
白い羽が零れていく
あそこへはもう戻れないの?

道を示すことに一生懸命だった、僕ら
間違えないことに精一杯だった、僕ら
選択肢をひとつずつ握り潰して
最後に残ったのが君だったら
朝の電車で出会えたら素敵
青空と白い雲
霧を喰っても生きていけないから
じわじわと締め付けられるように殺されていく

空が眩しい