9.27.2012

Re: Re: 祝福


貴方との間に分厚い透明な壁が確かに見えて
僕は
泣くことすらできないまま
「音」を
聴こうとしていました
その帰り道
ふと寄ったスーパーで重い物ばかり買ってしまって僕はこんなにマゾだったかしら
代金が今日の電車賃より帰りのタクシー代より軽くて
今度は
少し泣きたくなりました

言いたいこと

書きたいこと

たくさんあったはずなのに全部忘れ去ってしまって
本気で悔しがることすらできないくらい大人になった自分を恨めしく思う
貴方は
貴方達はみんな
嘘吐きだから
前にも言ったことあるけど
僕は静かなロックのライブが好きなんだ
爆音の中無表情で立ち尽くして自分のことや未来のことや社会のことについて深く深く考えて
悩みが消えていく


ステージが近過ぎてせまってくる音を抱え損ねた
貴方との間に越えられない壁があって手を伸ばせば届く距離も引けば絞まるコードも拒絶感を増しただけ
僕はシャットアウトしたままです

本当に好きなものを好きだと言える世界だと良い本当に好きなものが分からないなら見つかるまで探していられる世界だと良い
貴方の曲を聞きながらそんなことを思った
曲、だった

ではなく

それから洗面台に刷毛と歯ブラシが同居している美大の友人の詩をよもうと思った、なぜか

左手のスーパー袋はやっぱり重くて
流れていく言葉も音も何時か思い出したようにいきいきと蘇ってきて今は忘れ去って本気で悔しがれば良い
なんて思い切ることもできず
「心の柔らかい部分で聴いていって」
という言葉で固くなったガードのすきまからも裏側からも声が届かなくて
いつか分かる時がくるでしょう

ライブ音源が欲しいと思った
貴方が今まで出した詩集もCDも全部集めて暗記しても貴方は流れていってしまうから
今を切り取って変えてしまうから
いつまで経っても追い着けない
それでいい
ううん 追い駆けようとすらしてない
「次はどうやって愛すの?」
「僕たちはなんだかすべて忘れてしまって」

終わり、という音に魅かれる
エンドロールという言葉が好きだ
「失くしたことに人心地ついてまた『安心』を買う」
人はみんな終わりに向かって生きています 産まれ落ちたその瞬間から

に向かって生き続けています
真夏のエンドロールはとっくに流れ去ってしまって夏のエンドロールすらもう流れていない

貴方の書く詩が詠む詩があの詩のベクトルのままなら愛し続ける自信があるんだ
じゃあ貴方が変わってしまったら?
僕は貴方を好きでなくなるのだろう


圧倒的な大音量 響くことすら拒否してコーラスが入る
フリーズ
シャットアウト

強制終了致します
Yes or No ?
―強制終了します

貴方の声が聞こえない
笑っているの?
息ができない それでも
せめてこの夜は貴方に捧げようって思ったんだ

9.16.2012

無題

妖精、が見えた気がした。雨上がりの水溜まりに映った空がとても綺麗な午後。廊下で青いさざめきとすれ違った

気がしたんだけど振り返るといたのは知らない女の子たちでぺちゃくちゃ楽しそうにしながら僕なんか気付かず通り過ぎていく。遠近法でずっと伸びていくこの廊下の先が 永遠 に続いていれば良い。非常階段の柵から手を伸ばしたら何かが掴めそうな気がして、大切なものが落ちていった。巨大になり過ぎたビルの間で切り取られた空をながめるここはぽっかりとひらけていて、その狂った遠近感が街を支配している気がして、

とりあえず一服。

空から羽が落ちて来て天使が飛んだのかと思ったら真っ黒だった。平和の使いですらない鎮守の森の使いは案外近い屋上で僕を見て「ガァ――」と鳴いた

妖精、を見た気がしたんだ

雨上がりの街で、埃の積もった部屋で、薄暗いバーのカウンターで、海の上の雲の中で、渓谷を挟む山の中で、僕は、
置いていかれた、と思うのか、僕が置いてきた、と思うべきなのか、生き損なったまま休憩時間の終わりを気にいている僕は今、

生きてる



(umder50の「赤い飛行機」を「世界が平和になる日まで」と思い込んで
http://www.myspace.com/umder50/music/songs/59569499 )

9.01.2012

そうやって僕らいつまでも死にかけてるんだ


君はいつから大人になったの?
いつから大人になることを良いと思ったの?

そう、大人だから冷たい感じがする
僕、ちゃんと笑えてた?

右腕、
だけが死にかけている

窓が揺れた
電車の窓が揺れた午後の陽
揺れたのは沈丁花
ジャスミン
ラベンダー

咳が出る

狼みたいな真似をして
小学校の学級庭園の前
両腕だけで
嵐が来る夕方
遠吠えて夜の来る前に
紺色の中で長く長く

所詮他人事だろ
この世も仕事も何もかも

そんな声が聞こえる
そんな悲しいことを言わないで
こんなに胸が痛いのに
リセットボタンなんてないのに

高校生の頃読んでた小説の中で
言葉は暗号だった
より高次の教育を受けた人はより多くの情報を引き出せる
光彩が放つ パルス

綺麗だねって言われる度、あなたに見つけて欲しい
そんなことを思いながら
既に何者かではある昨日の僕が褪せていく

焦り

僕の神様は僕の前には現れない
林谷さん、貴方、なんの神様なんですか

かみさまはなんにもしてくれやしない
みんな言ってる
僕も知ってる
でも信じてる

何を?

ヨルムンガンド
ミドガルズオルム
世界蛇
空を飛べない僕らを

小学校の頃に一目惚れして集めた漫画は今でも
まだ 時が止まったまま
中学の頃好きだった人は
何処か 先へ
高校の頃愛した世界は
細胞膜一枚隔てた向こう側
僕、の側は
僕ひとり
まだ一人
桜に囚われないまま
海に魅せられないまま
夜景に墜ちることもなく

ただ 貴方の事を考えています

ひょっとしたら救えたかもしれない
あの日の僕

少しだけ

約束

あの山の上で会いましょう
風の吹きぬける緑の草原の中に点在する石灰岩の上で
空に手を伸ばして雲に乗る

それだけ