9.01.2012

そうやって僕らいつまでも死にかけてるんだ


君はいつから大人になったの?
いつから大人になることを良いと思ったの?

そう、大人だから冷たい感じがする
僕、ちゃんと笑えてた?

右腕、
だけが死にかけている

窓が揺れた
電車の窓が揺れた午後の陽
揺れたのは沈丁花
ジャスミン
ラベンダー

咳が出る

狼みたいな真似をして
小学校の学級庭園の前
両腕だけで
嵐が来る夕方
遠吠えて夜の来る前に
紺色の中で長く長く

所詮他人事だろ
この世も仕事も何もかも

そんな声が聞こえる
そんな悲しいことを言わないで
こんなに胸が痛いのに
リセットボタンなんてないのに

高校生の頃読んでた小説の中で
言葉は暗号だった
より高次の教育を受けた人はより多くの情報を引き出せる
光彩が放つ パルス

綺麗だねって言われる度、あなたに見つけて欲しい
そんなことを思いながら
既に何者かではある昨日の僕が褪せていく

焦り

僕の神様は僕の前には現れない
林谷さん、貴方、なんの神様なんですか

かみさまはなんにもしてくれやしない
みんな言ってる
僕も知ってる
でも信じてる

何を?

ヨルムンガンド
ミドガルズオルム
世界蛇
空を飛べない僕らを

小学校の頃に一目惚れして集めた漫画は今でも
まだ 時が止まったまま
中学の頃好きだった人は
何処か 先へ
高校の頃愛した世界は
細胞膜一枚隔てた向こう側
僕、の側は
僕ひとり
まだ一人
桜に囚われないまま
海に魅せられないまま
夜景に墜ちることもなく

ただ 貴方の事を考えています

ひょっとしたら救えたかもしれない
あの日の僕

少しだけ

約束

あの山の上で会いましょう
風の吹きぬける緑の草原の中に点在する石灰岩の上で
空に手を伸ばして雲に乗る

それだけ

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