8.23.2010

旅の終わり、はじまりの刻

夜風が涼しくなってきた


夏が終わるかな
夏は終わるか

此の光に満ちた白が好き
抱えきれない明日の希望




帰って来た、島から

見慣れた風景の疲労感
五日前には無かった脱力感


鈍行すら無視する白い駅
緑の山で隠れんぼ


祭りの熱気の赤提燈
鐘と太鼓とピーヒャララ


夏休みは終わったよ
夏休みはとっくに終わってた


嗚呼


『再生』だ


飲み込んだ川の水

乗り越えたのは、
置いて来たのは、
懐かしがるのは、


なに

8.12.2010

夏休みの始まり

行こう

此処じゃない何処か
いまじゃない何時か

其れが許されるなら


出来るだけ早く

7.22.2010

バタフライより

霧の先の微かな希望



錨を落とせ


光を

7.21.2010

暁の紅

明け方僕は猫になる


夏の蝉の声を聞きながら
明け切らない空の色を恨みながら


背中は夜の散歩で濡れている
積んだままの布団の上に丸くなる


手足を軽く伸ばしながら
和服の裾を翻し


草履は脱ぎ散らかしたまま
明日のことなんて知らないさ

7.18.2010

梵天国

上を見ればきりがなくて

でも

下を見てもきりがなくて

だから

僕は僕であるしかなくて

それで

そうして満足する人生。

7.12.2010

ね。

だからお前は駄目なんだ


って、そう
もっと罵倒してよ

僕だってこんな僕は嫌いなんだ


だから俺が居ないと駄目なんだ


って、そう
もっと傍に居てよ

独りじゃ思い通りにならないんだ

此れで良いのか分からないんだよ



こんなんじゃダメなのに

ね。

7.10.2010

葉擦れ心擦れ

なんだか心がざわざわする

此の感覚は知っている
想い人の前にいる時の気もちだ
でも今其の人はいない

落ち着かない
切なくて甘酸っぱくて暫く此のままで居て欲しくなる

幸せの予感   扉を叩く音がする

一人から来る訳ではない
周りの人から来る訳でもない


・・・・・・外?



貴方が近くにいるのか

呼んではいない
其れでもそうだと良いと思う



薄闇の中で風が新緑の葉を翻す

7.02.2010

あの頃は真っ白だった

あの頃

僕の表現は無条件に受け入れられた

そんな時にできた一点の染みは

今も消えずに残っていて

もっと枠からはみ出して伸び伸びと書きなさい
それともお前はそんなに器量の小さい人間だったのかい?

Do you know your words restrict me or not ?

言わないのはやさしさか

よわさか

6.25.2010

容易く諦めてんじゃねぇよ

前向きに後ろ向きなのと
後ろ向きに前向きなの、


どっちがいい?

6.21.2010

一番昼が長い日に太陽を見たくなくなった話。

嗚呼

なんでこんなに恵まれているのに満たされない

僕は
普通になれない一番にならない
そんなこと、とっくに分かっていたのに
直接言われただけで傷付くなんて相手を慮れないなんて、

なんて

そんな日には森に還りたくなる


腐葉土を踏んで熊笹を掻き分け
木に登り幹に腰かけようか

きっと今、手を滑らせたら骨を折る
そんな高さをなんとも思わずに
降りれなくなるかもなんて考えずに
唯唯登れたら

そしたら

幸せなのに



ねぇ



貴方は迎えに来てくれますか

僕が戻れなくなると啼いたら

6.12.2010

幸福に素直じゃない

僕が生まれた時
世界は顔を背けたかもしれない

僕が生まれた時
世界は祝福したかもしれない

僕は其れを知らない
きっと何事も無かっただろう




『僕』は要らない

だから
どんな僕にだって染まれる

そう思ってた

認めて貰えるってとても幸福なこと

でも欲しかったのは本当に、僕?



更に厄介なことを避けるためじゃない?

6.11.2010

ユメ、セカイ。

久しぶりに夢を見ました

日常的な忙しい、幸せな夢でした



ずっと探している物があります

雑貨屋で見つけたブランドのポストカード
昔の学校の試験管立て
銀でできた十字架のペンダント





夢を見ています

今まで通りの、切ない夢です

あんまり不幸せではないから悲しみも深くなく
情熱の回復する間もないから一生懸命にもなれず

求めるために手を伸ばすことさえ躊躇ってしまう
そんな愛想を尽かした自分は独りユメ時間の中で覚めてしまった




砂時計の砂が落ちていきます
想いを込めた金平糖が溜まっていきます


あの木の下でお昼にしようか
あのカフェでお茶にしようか


今日も人慣れた猫が欠伸する

5.13.2010

more and more

またひとつ生きる目的を見つけた
自殺せずに行き抜くこと


傷付かない方法を見つけた
期待しないこと





僕は自分を信じない
だから他人も信じない


僕は自分に後悔しない
だから他人もすべて許す





また一つ綺麗な景色を見つけたんだ
今日は夏空だ



嗚呼、

全て忘れようか旅に出ようか

5.10.2010

その日が瞳を閉じるまで

一人で歩いていると 此処で倒れたらどうなるかを考える



誰が初めに見つけるか
病院に運ばれるか
死亡確認書が出されるか

警察は調査するのか
誰か僕の足跡を辿ってくれるのか

最期に話した人
最期にすれ違った人
最期に書いた日記


いつもいつも
何時いなくなっても良いように残しているつもりだけれど
誰も探してくれなかったら……




まあ、良いや
意識の欠片も残らなければ

5.05.2010

まるで夏の終りのような

歩くだけで汗が出る
まるで夏の暑さだ

だから僕はなおなお嬉し



川岸の大きな藤の木が強く香る

蛍光灯を点けなくても廊下が歩ける
暮れの風が怪物みたいにカーテンを膨らます
涼しくなった風が心地よい

だから僕はなおなお人恋し



夕涼みしましょか
浴衣着ましょか
ブランコ乗りましょか
長い休みの終わり

だから僕はなおなお切なし



思い出せない人


人、恋し。

3.16.2010

夜

薄暮の中 白い雲が流れて行く
紅に染まれなかった青空を

旅先のにおいがする



夜は好きだ

帰れる場所があるから
人に顔を見られなくて済むから
町の灯りを無関係に眺めていられる場所に居るから



だから
柔らかい午後の光が差す家は僕の胸を掻き毟る



何処かに行かないといけない気がする
何かやるべきことを忘れている気がする

・・・・・・何時までも待っていたい気がする


暗闇の中の胎児の様に

2.28.2010

夜明け前のブルー

朝 僕は独り

もう一人が目覚める前に起きて屋上に上って

夜明け前の藍を見る

大切な一人の時間

鳥が鳴いて
風が吹いて
雲が動いて
僕はひとり

朝の匂いがする
明けきらない今日の音がする

此処から飛び降りたら解放されるかを考える
いつも

もう一人の方が先に行ってしまいそうで
僕はやはり一人なのだと思う

想う

2.17.2010

星を見に行こう。

夜の山に登る

頭上を風が吹いて行き、僕は風の海の中に居る

空の星を見れば 自分のちっぽけさをおもう





街の星を見れば
其の
暖かさと
冷たさと
遠さを
思う
想う
闇が世界を満たす
冷たい階段と金属の向こう
今も山の上では風が吹いている
感傷に溺れる
遠い光が
其の遠さが
暖かさが
一人を辛くする
闇が蠢いている沈む

2.09.2010

やわらかいつの

春の宵蔭の闇まで柔らかく

春の宵


そんな言葉がぴったりの夜だった
不意に僕は何か口ずさもうとし 直ぐに其の口を閉じた

暗誦できる唱を持つ教養など無かった



われもこう

その言葉が浮かんだ
初秋の花だった



吾亦紅さし出て花のつもりかな
小林一茶

2.08.2010

此の岸。

広がる原
中央を流れる広くて浅い川
所々深く地面を抉っている
音も無く太陽も無く影も無く金色の光が世界を満たしている
浅い夕方なのだろう   午後だった


中原中也の河原の様


小魚が、小さい銀の群れは足を浸けると散って行った
何を釣るのか竿と網とバケツを持った人もいる
互いに馴染みらしい人々
中年の人ばかり男性に女性に
主要なのは男性二人
みんな談笑している
僕は新参者だけれど其れが気にならない位暖かくて話しかけもしないのに
離れているのに

僕は必死に子供の気もちを取り戻そうと裸足になって地面を踏む
柔らかくなった足の裏が河原の小石に顔を顰める
玉砂利だろうこんなもの
見た目よりも僅かに痛く 其の痛みの軽ささえまだ慣れない
大昔はこんなもの気にもしなかったのに

歩き疲れて川の中に横たわる
濡れもせずせせらぎも無く水草が泳いでいる


『赤頭巾ちゃん』
臙脂の厚手のフードを被って居た僕に主催者が声を掛ける
思った通りの人だった
『僕らはもう行くけどどうする ご両親は』
『僕   だよ』
僕は名乗る
彼らには分かる筈
彼は知って居る筈
『嗚呼   か なんでもっと早く名乗らなかったの』
暖かい
新参者なのにそれすら暖かい
昔から此処に居た様に




いよいよ陰って来た
もう、帰らなくちゃ