朝 僕は独り
もう一人が目覚める前に起きて屋上に上って
夜明け前の藍を見る
大切な一人の時間
鳥が鳴いて
風が吹いて
雲が動いて
僕はひとり
朝の匂いがする
明けきらない今日の音がする
此処から飛び降りたら解放されるかを考える
いつも
もう一人の方が先に行ってしまいそうで
僕はやはり一人なのだと思う
想う
2.17.2010
2.09.2010
2.08.2010
此の岸。
広がる原
中央を流れる広くて浅い川
所々深く地面を抉っている
音も無く太陽も無く影も無く金色の光が世界を満たしている
浅い夕方なのだろう 午後だった
中原中也の河原の様
小魚が、小さい銀の群れは足を浸けると散って行った
何を釣るのか竿と網とバケツを持った人もいる
互いに馴染みらしい人々
中年の人ばかり男性に女性に
主要なのは男性二人
みんな談笑している
僕は新参者だけれど其れが気にならない位暖かくて話しかけもしないのに
離れているのに
僕は必死に子供の気もちを取り戻そうと裸足になって地面を踏む
柔らかくなった足の裏が河原の小石に顔を顰める
玉砂利だろうこんなもの
見た目よりも僅かに痛く 其の痛みの軽ささえまだ慣れない
大昔はこんなもの気にもしなかったのに
歩き疲れて川の中に横たわる
濡れもせずせせらぎも無く水草が泳いでいる
『赤頭巾ちゃん』
臙脂の厚手のフードを被って居た僕に主催者が声を掛ける
思った通りの人だった
『僕らはもう行くけどどうする ご両親は』
『僕 だよ』
僕は名乗る
彼らには分かる筈
彼は知って居る筈
『嗚呼 か なんでもっと早く名乗らなかったの』
暖かい
新参者なのにそれすら暖かい
昔から此処に居た様に
いよいよ陰って来た
もう、帰らなくちゃ
中央を流れる広くて浅い川
所々深く地面を抉っている
音も無く太陽も無く影も無く金色の光が世界を満たしている
浅い夕方なのだろう 午後だった
中原中也の河原の様
小魚が、小さい銀の群れは足を浸けると散って行った
何を釣るのか竿と網とバケツを持った人もいる
互いに馴染みらしい人々
中年の人ばかり男性に女性に
主要なのは男性二人
みんな談笑している
僕は新参者だけれど其れが気にならない位暖かくて話しかけもしないのに
離れているのに
僕は必死に子供の気もちを取り戻そうと裸足になって地面を踏む
柔らかくなった足の裏が河原の小石に顔を顰める
玉砂利だろうこんなもの
見た目よりも僅かに痛く 其の痛みの軽ささえまだ慣れない
大昔はこんなもの気にもしなかったのに
歩き疲れて川の中に横たわる
濡れもせずせせらぎも無く水草が泳いでいる
『赤頭巾ちゃん』
臙脂の厚手のフードを被って居た僕に主催者が声を掛ける
思った通りの人だった
『僕らはもう行くけどどうする ご両親は』
『僕 だよ』
僕は名乗る
彼らには分かる筈
彼は知って居る筈
『嗚呼 か なんでもっと早く名乗らなかったの』
暖かい
新参者なのにそれすら暖かい
昔から此処に居た様に
いよいよ陰って来た
もう、帰らなくちゃ
2.06.2010
ほぼ現実。
学校が休みなので人は少ない。にも関わらず図書館は開いている。普段にもまして静かだが暖房が効いているのと照明が明るいのとで午後3時の様な印象を受ける。
カウンターに1つだけある返却箱へ本を置く。受付の人には声を掛けなくても良かった。
図書の検索は専用のパソコンが各階に各階に置いてあり、貸出も専用の機械で出来た。僕は結局誰とも口をきかないまま目的を果たした。
土曜開館専用エレベーターのボタンを押す。扉は直ぐに開いた。
B1のボタンを押すと奥の壁に凭れて瞳を閉じる。
すぐだ
こんなせかいすぐおわる
浮遊間すら感じないまま僕は再び冷たい世界に吐き出された。
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