11.04.2012

ささらい

こういうのを朝帰りって言うんだろうなあ多分違うけど
そんなことを思いながら
昨日居酒屋のカウンターで知り合ったばかりの人の自転車に揺られている
夜明け前
長かった一日をようやく終えて空き缶に終う
みたいな部屋から
これから始まる今日
へタイムトリップする
いま
夜明け前の肌寒い風が
昨日の酔いを昨日へと洗い流してくれれば良いのに
そんなことを考えながら
終わるはずのなかった色々なものが今へと続いていて
乗り損ねた電車を反対ホームから見送る
思いきり手を振ってやる
通勤用が起きるまでの電車を見送って地上にでれば魔法は解けて
ただただ
弱い僕がそこにいる
掴み損なった色んなものを
帰りたくなくてした大回りを
白日の下に晒して自分の眼だけ覆ってみる
君が目を合わせてくれないから君じゃない誰かを見なくて済むように
ずっと続く線路の上を走ってる
十七夜の月がにじみだしていて
終電を気にしていた昨日の人の言葉を思い出してる
「希望に満ちた朝」を暫く平行移動した後
夜明け
に背を向ける
「人生プラマイマイナスくらいがアタシには心地好いのよ」
と言っていた人の幸福な寝顔を想像してみる
AM6:05
また来る

まで乾杯
乾いた脳ミソが
輝かしい昼間へと祝杯を挙げる
とスケジュール帳に書き込んでいる
できってしまったこんにゃくゼリーみたいにぶよぶよしたかじりかけの


弛んだ体を星型に入れる
天窓から陽が差し込む家に
太陽熱給湯器がこしらえる朝食に

がまどろんでいる間に
僕は君との逃避行を決行する
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