ここでは1年中雨が降っている
吹き止まない風が絶えずヤシの葉を揺らしロッジの中で眠る人々の髪を揺らし波を揺らし
竹壁に潮の波抹を吹き付ける
クイナの走る屋根には絶えずぱらぱらと花が零れ
在る筈のない滝音や打ち寄せない波の音やアルコールランプの明かりが
夜より明るい闇の中で何時だって雨を降らす
気付くと犬が横で丸まっていた
今日は雨か
起きたくないな
幻の雨に打たれて島人の代わりに
ウィリーギックスは腕を動かし続ける
※ウィリーギックス
クラフトの一種。木製の風車で羽根が回ると連結した人形の腕が動く細工がしてある。
3.21.2011
X:其れだけで僕は君の虜
君はその幸福の島で
何時だって哀しそうな眼をしていた
次の朝帰ると云うに日になって昨日語り合った子に手紙を貰っても
心は何処かうわの空
嗚呼その心を摑めたなら
哀しい目が僕を見たなら
熱を持った日焼けの跡が
サキ・バーに行く前の存在を主張する
何時だって哀しそうな眼をしていた
次の朝帰ると云うに日になって昨日語り合った子に手紙を貰っても
心は何処かうわの空
嗚呼その心を摑めたなら
哀しい目が僕を見たなら
熱を持った日焼けの跡が
サキ・バーに行く前の存在を主張する
XI:其れは酷い痛みと共に
繰り返す 浅い眠り
繰り返す カオハガンの夢
やがて 現実,失望
溢れ出す 涙
(その夜私は浄化の為に泣かなければいけない夢を見た。高熱に魘され理解不能な言葉を話して泣いていたらしい)
繰り返す カオハガンの夢
やがて 現実,失望
溢れ出す 涙
(その夜私は浄化の為に泣かなければいけない夢を見た。高熱に魘され理解不能な言葉を話して泣いていたらしい)
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