(ディー メジャー)
好きという気もちひとつ、飲み込んで
君の手を握る
ねぇ、寒いね
会いたい会いたい会いたい
と思っている
だけ
で伝わらない想い
それでも
君にあげるはずだった未来一つ探しています
いま
言葉を忘れ続けて
君と話したい
すごく
相変わらずマイペースだったあの子
を愛しいと思う
想いを
なぞる
よな
雪の降りそうな朝だった
冷え切って
それでも握り返してくる君の手が嬉しい
眠り込んでしまった僕を見守る君の眼が優しい
ねえ僕ら離れ離れになってしまうけど
どこへも行けず何も生み出さないのだとしても
今宵
君を夢見るくらいは許して欲しい
君の光を消さないようにそっと息をしている
昨日がそこで佇んだまま
眠り込んでいる明日を揺り起こしていいものか戸惑っている
もう少し眠らせておあげよ
きっと疲れているのさ
僕も君も
あの子に会いたいな すごく
あの子に会いたい気分だ
明日が起きれば会えるかな
珈琲を入れている間に朝日が上って
トースト焼いてる間に君に会いたい
昨日が額縁の中で色褪せていた
明日はすやすやと眠りこんだまま
今日がぼろぼろの指先を握りしめる
君に会いたいな
僕がもらう筈だった未来はどこで落としてしまったのでしょう
今朝見たのは君の夢
そっと掌を包み込むような
うんと素敵になって君を驚かせたい
君がずっと追い駆け続けるような
そんな人になるために僕はさ
ねえ
君の悲しむことなんてしたくないのに
君の負担になんてなりたくないのにな
水の匂いがする 水道水の臭いだ
雨の にほいだ
これが春を連れて来た
雨が降り出しそうな今日は朝からどんどん暗くなって
昨日よりも随分と暖かかった
「南からの湿った風が吹き込み、西から天気は崩れていくでしょう」
だ、そうだ
これだけ暖かかったら、もう君と手を繋ぐ必要も無い
僕は
それだけが悲しい
「目に見える程度の苦しみと
目に見えない程度の悲しみ」
いつ、誰が書いたのかも分からない日記が発見された
今日が限りなく続く昨日の続きでしかないことに絶望しただけさ
この1年で僕は随分変わったけれど、君のことは分からない
ましてや、そのきっかけなんて
つまりはそういうことなんだ
僕と君は交わることのない他人のままだった
もしかしたら
2人別々のことをしながら別々のことを考えながら
同じ気もちでいるのが一番幸せなのかもしれない
なんて思ったりもするんだ
綺麗な字を書ける人が羨ましかった
上手に絵を描ける人が羨ましかった
君の手を握れる人になりたかった
君の隣で笑っていたかった
「君」ばかりだ、考えてるの
「春。」
と書いた時のマルのような
誰もいないのに擦り減った靴のような
君が好き、と言える程度の気もちなんて
きっと僕の愛は傾いているんだ
現実よりも30cm上空の夢を
浮遊する現実を
それよりも
君の手を握りたいのに
ずっと誰かの隣にいたかった
ずっと誰かの待っている家に帰りたかった
ずっと待っている「誰か」が欲しかった
ずっとずっと待っていた誰かを追い掛けて追い駆けて追い越した
そうしてまた手に入らなかったんだ
好きという気もちひとつ、飲み込んで
君にあげるはずの未来を探している、いま
君にあげるはずの未来を探しています
(choriさんの「未来」「ダンサー イン ザ アフターダーク」、
みかとやすさんの「惑星とスープ」に影響を受けています)
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