1.15.2013

夜の魚

色々なことを忘れたくて夜の街に泳ぎ出す

酒飲みは自分が酒飲みであることを忘れたくて酒を飲むのだと

言ったのは誰だっけ

忘れられなかった色々なこと

悲しい思い

泣き出したい気持ち

思い出

感情

だけは消えずに

いまも

リバーブする

解法を望んではいない/いけなかった

置いてきた色々なこと

明日が来なければ良い

忘れられなかった色々なこと

悲しみ

がリバーブする

夜の街を泳いでいる

何処へも行けなくって嬉しい

訳がない

何処へでも行けるのに

行く場所が無くって悲しい

淋しさ

がカウンターに置いてきぼりにされていて

悲しい

気持ちだけ



リバーブする

いま

忘れられなかった色々なこと

だけ



悲しい

リバーブする

夜の街に泳ぎ出す

いま

誰からも傷をつけられなくって悲しい

訳ない

感情

だけが

淋しい

夜景がきらきらと

夜の星

の涙



魚眼レンズの向こう

予定が外れて

カウンターに置いてきぼりになってる

いま



淋しさとダンスする

夜の街

誰からも忘れ去られなくて悲しい

悲しい



言えなくて

淋しさ



リバーブする

置いてきぼりになった

カウンターに

色々な忘れられなかったこと

リバーブする

リバーブする

リバーブする

感情

だけ



夜の街に泳ぎ出した